意外と知らない?高性能マスクの落とし穴!
こんにちは。薬剤師ゆうです。
新型コロナウイルス流行の影響で、最近どこへ行ってもマスクが手に入りません。
患者さんと接する立場としては、早く普及してもらいたいです。
さて今日は、意外と知られていない高性能マスクの落とし穴について見ていきたいと思います。
そもそもマスクの効果は?
目的
マスクを使う目的としては、花粉症や風邪対策、保湿、食品衛生、顔隠しなどがありますね。
少し前だと、PM2.5からのどを守るためにも使われたように思います。
私は、のどが乾燥して風邪を引かないよう保湿目的で使ったりします。
このように、マスクは色々な用途で使われます。
効果
用途の多様化に伴い、それぞれの目的に適った多性能マスクなど、多くの種類が発売されています。
例えば、「花粉やウイルスを通さない」マスク。
マスクに目の細かいフィルターがついているので、花粉やウイルスを通さないということでしょう。
中には静電気で花粉の侵入を防ぐものまであるそうです。
が!ちょっと待ってください。
その機能、本当に効果がありますか?
「高性能」の落とし穴
「In Vitro(インビトロ)」と「In Vivo(インビボ)」
話は変わりますが、医学薬学研究で①「In Vitro(インビトロ)」②「In Vivo(インビボ)」という考え方があります。
①「In Vitro(インビトロ)」=試験管内で
②「In Vivo(インビボ)」=生体内で
という意味です。
なぜこのような言葉があるのでしょう。
それは、「試験管内で行う実験結果」と、「人に使ったときの実験結果」は異なることが多いからです。
マスクの性能を見てみる
では、「花粉やウイルスを通さない」マスクについて、①「In Vitro」②「In Vivo」という2つの視点からみてみると・・・
①「In Vitro」⇒実験室で調べたフィルターの機能としては、確かに花粉やウイルスを通さなかった
②「In Vivo」⇒?
そうです。
人に使ったときの結果について言及されていません。
つまり、
確かにフィルターは花粉やウイルスを通さないが、実際に使ったとき「吸い込む」か「吸い込まないか」はわからない
ということです。
「花粉やウイルスを通さない」という言葉に騙されてはいけません!
どうすればよいか?

どんなにフィルターが細かくても、必ずマスクと顔の隙間から空気が入り込むので、全部をシャットアウトするのは不可能でしょう。
大切なのは、高いマスクを買うことではなく、
安いマスクでも良いのでガーゼなどで物理的に隙間を無くすことだと思います。
また、マスクに頼りすぎず、手洗いうがいで洗い流すことです。
まとめ
・「花粉やウイルスを通さない」は、マスクのフィルターの能力
・フィルターにこだわっても、顔とマスクの隙間から空気が入るので意味がない
・商品の謳い文句は、「In Vitro=機能のみ」の効果しか言わないことが多い
・花粉やウイルスは、手洗いうがいなどで物理的に排除しましょう