アルコール過敏症に気をつけて!
こんにちは。
カダラボ薬剤師記事担当のゆうです。
最近アルコール除菌商品が全く手に入りません。
それだけ使っている人が増えていることだと思いますが、アルコールは誰にでも使える万能な成分ではありません。
今回は、アルコールにも過敏症があるということと、アルコールの代替薬について知ってもらえたらと思います。
消毒用アルコールとは?
エタノール
ここで言う消毒用アルコールとは、お酒にも入っている「エタノール」のことです。
(「イソプロパノール」という、エタノールよりCが1つ多い親戚みたいなものもありますが、割愛します)
メタノールは消毒には使われない
似たような物質で「メタノール」というのがありますが、これは全くの別物です。
燃料として使われます!
飲んだら失明します!
cが一つ少ないだけの物質なのに、こんなにも違うんですね。
間違っても買わないようにしましょう。
アルコールはそのまま使えるのか?
消毒用アルコールが手に入らない!
いや待てよ。
お酒に入っているエタノールなら、それを使えば・・・と思うかもしれません。
ここでエタノールの効果的な濃度は、70%前後とされています。
そんなお酒はなかなかないですよね。
96度のスピリタスを上手に薄めるのはありかもしれません。
ただし、スピリタスは燃えるので要注意!
アルコールの殺菌作用
濃度70%のエタノールが効果的でした。
その作用は、菌の細胞膜(人間に例えると皮膚でしょうか)をズタボロにします。
そして、中に入り込み、タンパク質をボロボロにすることで殺菌することができるのです。
濃度が薄すぎても濃すぎても、殺菌作用は弱くなります。
アルコール過敏症
世の中は、アルコール消毒を勧めています。
しかし、どんな物質にも、過敏症というものが存在します。
(世の中には「水アレルギー」というものも存在するくらいです)
アルコールを使うことによって体調不良を起こす人がいることも忘れてはいけません。
看護師さんが注射の前にアルコールが大丈夫かどうかを必ず確認するのも、そういうわけがあります。
消毒用アルコールの代替薬
最近では、アルコールの代わりにある成分を含む脱脂綿をよく見かけます。
それが「クロルヘキシジン」です。
アルコール過敏症の人でも使えます。
医薬品のクロルヘキシジンの添付文書(説明書)には下記のように記載されています。
「クロルヘキシジングルコン酸塩の作用機序は、比較的低濃度では細菌の細胞膜に障害を与え、細胞質成分の不可逆的漏出や酵素阻害を起こし、比較的高濃度では細胞内の蛋白質や核酸の沈着を起こすことが報告されている」
アルコールと同じような作用です。
最近ではこれも手に入りにくい状況ですが、消毒にはアルコール以外にも選択肢があることを知っていただだけると幸いです。