バイオシミラーとジェネリック医薬品
こんにちは。カダラボ薬剤師記事担当ゆうです。
今回は知っているようで知らないバイオシミラーについてまとめました。
参考:持田製薬「バイオシミラーをご理解いただくために」
バイオシミラーとは?
●特許期間、再審査期間が満了した医薬品(先行バイオ医薬品)と同等/同質の品質、有効性、安全性が確認され、先行バイオ医薬品と「類似の」ものであるとして承認された医薬品
とあります。
(持田製薬HPテリパラチド紹介 http://www.mochida.co.jp/dis/biosimilar/teriparatide/info/index.html)
バイオ医薬品の後続品という意味です。
※バイオ医薬品とは、タンパク質や、哺乳類細胞、ウイルス、バクテリアなどの生物によって生産される物質に由来しています。
構造が複雑すぎて簡単に作れないため、ウイルスなどの力を借りて作っているわけです。
バイオシミラーと先行バイオ医薬品の関係
バイオ医薬品は、糖尿病治療で使うインスリン、骨粗鬆症で使うホルモンなどがありますが、どれもとんでもなく複雑な構造をしています。
私たちが普段飲んでいる薬の複雑さ(大きさ)を「1」とすると、バイオ医薬品は「100~1000」にもなります。
つまり、100~1000倍以上複雑な薬というわけです。
そのような薬を、全く同じように作ることは困難です!
そのため、先行バイオ医薬品と成分(アミノ酸配列)が同一で、品質特性や有効性・安全性が同等同質(同一とは限らない)であるものと定義されています。
※よく耳にするジェネリック医薬品(後発医薬品)に似たようなイメージです。
ジェネリック医薬品(後発医薬品)は、今まで使用していた薬の特許が切れたため、同じ薬を他の会社も作ることができるようになったものです。
構造が比較的簡単なので、どの会社も同じものを作ることができます。
開発費や研究費が抑えられる分、値段が半分近くにまで抑えられます。
そのため、国は積極的に推進し、医療費を抑えようとしています。
本当に安全なの?
バイオシミラーの承認は、ジェネリック医薬品よりも多くの項目が必要となります。
ジェネリック医薬品の承認申請時に必要な書類は最大4種類であるのに対し、バイオシミラーの必要な書類は最大20種類になるそうです。
先行バイオ医薬品と構造が完全に同一ではないため、効果を裏付ける試験や臨床試験成績書類の提出も必要です。(ジェネリック医薬品では不要)
これをクリアしているということは、完全に同一ではないにしろ、効果や安全性については従来の先行バイオ医薬品と比較しても問題ないということを示しています。
バイオシミラーが開発されているワケ
医療費削減が大きな目的です。
例えば骨粗鬆症の注射薬ですが、
フォルテオ(先行バイオ医薬品)=1本36555円 (1ヶ月で1本使います)
高い!
保険で3割になったとしても、1ヶ月11000円近く払わないといけません。
これをバイオシミラーにしてみると
テリパラチドBS=1本25643円
これだと1月7600円に抑えられます。
高齢化で医療費が増加している中で、薬を変えるだけ(効果は同じ!)で1万円も医療費を抑えられるものを、国が利用しないわけはありません。
まとめ
・バイオシミラーとは、先行バイオ医薬品と同等・同質(類似)のもの
・効果を裏付ける試験や臨床試験データの提出が必要で、それを通過している
・全く同一では無いから不安かもしれないが、上記審査を通過している以上積極的に使いたい
・値段は先行バイオ医薬品の6割まで抑えられる