卵アレルギーと使えない薬
こんにちは。
カダラボ薬剤師記事担当ゆうです。
今回は、子供のアレルギーで最も多いものの一つである卵アレルギーと、卵アレルギーを持っている人が使わない方が良い薬をまとめました。
アレルギーとは?
アレルギーの分類
まずアレルギーについて見ていきましょう。
本来免疫反応は、異物の侵入から自分の体を防ぐためのものです。
(↑異物の侵入を防いでいる図)
しかし、何らかの原因で免疫が過剰反応し、異物だけでなく自分にも傷害してしまう状態をアレルギーと言います。
アレルギーは大きくⅠ型~Ⅳ型に分けられますが、今回扱う卵アレルギーはⅠ型アレルギーなので、これを中心に見ていきます。
Ⅰ型アレルギー
Ⅰ型アレルギーは「即時型」とも呼ばれ、数分~数十分でアレルギー反応を起こします。
アレルギー物質(アレルゲン)を摂取することで、アレルギーを引き起こす物質(ヒスタミンやセロトニンなど。ケミカルメディエーターと言います)が体中に広がります。
わかりやすくするために卵に限定すると、
卵を食べる
↓
卵の成分がヒスタミンなどのアレルギーを起こす物質を大量に放出させる
↓
アレルギー反応が起こる
↓
息苦しくなったり蕁麻疹が起こる
ケミカルメディエーターによって、
・気管が収縮する⇒息苦しくなる
・血管透過性アップ⇒蕁麻疹
・分泌物アップ⇒鼻水
といったことが起こります。
花粉症のように比較的軽症なものもあれば、卵アレルギーやアナフィラキシーショックのように生命に関わるものもあります。
卵アレルギーの人が使えない薬
飲み薬
さて、ここからは、卵アレルギーの人が使わないほうがいい薬について見ていきます。
まず飲み薬です。
卵白由来成分「リゾチーム」が含まれている薬が該当します。
しかし、2016年、病院・薬局で出されるリゾチームの薬は全て販売中止になっています。
(薬の効果について再検討した結果、現時点での医療上の有用性は確認できないことがわかったそうです。なんだそりゃ。)
従って、医師から処方される飲み薬に関しては、卵アレルギーを持っていても気にせず飲んでも大丈夫ということになります。
ただし、市販薬には依然として含まれているものがありますので、必ず注意書きを見るか、薬剤師・登録販売者に確認してください。
(鶏卵によりアレルギー症状を起こしたことがある人と書いてあります)
参考までに、医療総合サイトQLife(https://www.qlife.jp)で調べた、卵アレルギーの人は飲んではいけないとされている薬を列挙します。
・ベルゲンET
・新ルビカップ
・ルルせき止めミニカプセル
・ヒストミンエース錠S
・パイロンAM錠
・ヒストミンエース錠ハイ
・ルックエスせき止めカプセル
・ルックエス鼻炎カプセル
・新ルルAゴールド
・ピロチームSトローチ
・ワクナガフジコール錠
・キナゲントローチ
・新ルルAゴールド細粒
・セピートローチ
・新ルルAゴールドカプレット
・ブロコデせき止め錠
・エスエスブロン「カリュー」
・スカイナーせき・たん用
・スカイナー鼻炎N
その他の薬(目薬など)
意外かもしれませんが、実は、目薬・外用薬に卵アレルギー(卵白アレルギー)の人が使ってはいけないものがあります。
・ムコゾーム点眼液0.5%(慢性結膜炎)
・リフラップ軟膏(傷の治りを早める)
・リフラップシート(傷の治りを早める)
病院・薬局に行くときは、必ず卵アレルギーがあることを申告してください。
そうすれば、医師・薬剤師が、この薬を出さないようにしてくれます。
一方、市販薬でも使ってはいけない目薬がいくつかあるので紹介します。
・アイルビーAL
・スマイル40メディクリア
まとめ
卵アレルギーは子供に多いです。
そのため、親は人一倍気をつけます。
年齢とともに治る人が多いと言いますが、不安だったら近所の薬剤師や登録販売者に遠慮なく聞いていいと思います。
この記事が、アレルギーを防ぐ一助になれば幸いです。
・卵アレルギーはⅠ型アレルギー(即時型)に分類される
・数分~数十分でアレルギー反応が起こる
・医師から処方される飲み薬には、卵アレルギーの人が使ってはいけない薬はない
・市販薬には卵アレルギー禁忌があるので注意を