もしかしてクレベリンを使ってる?
薬剤師ゆうです。
薬学の勉強をしていると、世の中には巧みな謳い文句で買わせようとする商品がとても多いと気づかされました。
今回のクレベリンも、注意しないと騙されているかもしれませんよ?
クレベリンとは?
クレベリンとは、有効成分とされる「二酸化塩素」による除菌効果を謳って販売されている人気商品です。
「プールの消毒に塩素を使っていたし、なんか効きそう!」
「置くだけで除菌なんて便利!」
そういった声が聞こえてきそうです。
ちょっと待って。
ホントに?
クレベリンの除菌効果
製品HPには
「ういてるウイルス・菌、くっつきウイルス・菌、まとめて除菌」
とありました。
(ウイルスを除菌?・・・うーん)
有効成分である二酸化塩素ですが、化学式で書くとClO2(1つの塩素(Cl)と2つの酸素(O2))です。
ちょっと専門的ですが、この二酸化塩素はラジカルの一種であり(不対電子をもつため、極めて反応性が高い)、強い酸化作用を持ちます。
他の分子とすぐに反応して、別の物にしてしまいます。
アンチエイジングで抗酸化作用をもつ食品など話題になりましたが、その真逆の作用をもちます。
つまり、クレベリン(二酸化塩素)は酸化作用をもつので、細胞を老化させるイメージです。
ウイルスや細胞の膜を急激に老化させることで倒してくれるというわけです。
すごい!
「効果を持つ」ことと「効果がある」ことは違う
クレベリン(二酸化塩素)の酸化作用で除菌できるのはわかったけど、実際使ってみるとどうなの?
HPには
「6畳相当の閉鎖空間でクレベリン置き型製品により、浮遊・付着ウイルスの一種、浮遊・付着菌の一種を180分間で99.9%除去できることを確認。※全てのウイルス・菌を除菌できるものではありません※ご利用環境により、成分の広がりは異なります」
気になるところを見ていきましょう。
★閉鎖空間
この時点で、スティック型はアウトではないでしょうか。
閉め切っているところでしか効果が判定できないのに、持ち歩いて効果が出るわけがありません(と思います)。
人が1回でも出入りしたらこの文章は全く意味をなさないことになりますが、どうでしょう。
★一種
ある種類のウイルス・菌を除去できるそうですが、除去できないウイルス・菌で風邪になることはないのでしょうか。
★180分間
3時間以上も閉鎖空間を維持するってなかなか出来ないですよね。
★成分の広がりは異なります
成分の広がりが無ければ効果はありません。
一応根拠になっているデータを読みましたが、これらの結論を実生活に置き換えるには無理のある実験でした。
クレベリン(二酸化塩素)がウイルスや菌を除去するのは間違いないですが、置き型クレベリンが実生活で何かの予防になるかとおわれれば疑問です。
しかし、スプレーで直接汚染部位に吹きかけるタイプは、多少なりとも効果があるかもしれませんね。
結論
私なら…
置き型、スティック型のクレベリンは効果に疑問があるので買わない!
スプレー型は買ってもいいかな!
もちろん効果を実感される方もいらっしゃるので、買う買わないは自己判断でお願いしますね!