新型コロナウイルスの検査「PCR」について
新型コロナウイルス。早く収束してほしいものです。
最近のニュースでは、新たに何人感染した、厚労省の会見はどうだった・・・など不安を煽るものばかりですが、
肝心なのは、「どうやって蔓延を防ぐか」「個人で出来る予防対策は何か」だと思います。
まずは手洗い・うがい。
アルコール消毒。
なぜこれをニュースで言わないのか、疑問でなりません。
なぜ簡単にウイルス検査できないのか
ウイルスはとても小さいです。
もちろん肉眼・顕微鏡では見えません。
電子顕微鏡という特殊な顕微鏡でようやく姿を捉えることができます。
じゃあ電子顕微鏡でウイルスがいるかいないか確認すればいいじゃない?って思いますよね。
しかし、それはかなり難しいです。
たとえば、1cm×1cmの広さを、縦横それぞれ1000万倍(100km×100km)に大きくして観察するのが電子顕微鏡です。
1mm手元が狂えば10km動くようなものです。
そんな広い範囲のなかで、新型コロナウイルスを確認することは途方もない作業です。
ここで登場するのが「PCR」です。
PCR法
ウイルスはその中に遺伝情報をもっています(DNAやRNAと言われるものです)。
これに着目し、新型コロナウイルスが持っている遺伝情報をみつけようとするのがPCR法です。
原理としては簡単で、
①遺伝情報を2倍にする
②①の遺伝情報を2倍にする(4倍)
③②の遺伝情報を2倍にする(8倍)
・・・
を繰り返して、途方もない量の遺伝情報コピーを作り出します。
この中に新型コロナウイルスと同じものがあるかどうかを探すんですね。
(※詳細
生物で習うかもしれませんが、遺伝情報はA・G・C・T(U)から作られており、A-T、G-Cでそれぞれ対応します。
例えば
A-A-G
T-T-C
というDNAがあったとすれば
A-A-G
======
T-T-C
真ん中で切断して、対応するものを与えると
A-A-G
T-T-C
======
A-A-G
T-T-C
と、簡単に倍増できます。
私も実験で利用したことがありますが、温度調整と時間調整(水を何回も熱くしたり冷ましたりする)が面倒だった印象があります。)
全例検査は臨床的に意味がない
検査自体は簡単なものですが、やはり設備が整っていないことや、検査者への感染対策も必要ですよね。
また、症状自体は軽症例が多いため、国立感染症研究所は、全例検査は臨床的に意味がないとして行わない方針のようです。
感染しているのに陰性と出るように感度が完璧ではないので、それは仕方ないことかもしれません。
まとめ
・ウイルス自体は極めて小さいが、その遺伝情報をとてつもなく増やして検査する方法が「PCR」
・検査方法は特殊なものではないが、その環境が整っていないのが現状
・個人が出来る対策をしましょう